練心庵でのグループレッスンでした。

10月から始まった、1ヶ月で1曲の仏教讃歌を仕上げるつもりの「仏教讃歌強化月間」、3クール目の最終日でした。
12月のテーマソングは「真宗宗歌」。
先週、音取りにだいぶ時間を取ったことと、すっかり寒くなってきたこともあり、この日はゆっくりたっぷり体に呼吸を通しながらウォーミングアップ。
呼吸を通しながら少しずつ声に移行し、声を出すことに慣れていただきました。
というところで、いざ、「真宗宗歌」。
先週から連続で参加されてる方もいらっしゃったので、音取りもそこそこに、今回は発語を集中的に練習しました。
仏教讃歌はとてもシンプルで短い詩とメロディですが、言葉と音がパーペキに一致していて、まぶしいばかりに情景が浮かび上がる作品がたくさんあります。
例えば、この「真宗宗歌」では、出だしの「深き御法にあいまつる」という歌詞に当てはまるメロディが、この曲の最低音「ド」から、視界が開けるように上行していく。
「ひたすら道を聞きひらき」と言う部分では、足取りが漂うように音が上下に定まらず揺れ動きつつ、
続く「まことの御旨いただかん」という結論に向かってテンションマックス↑↑していきます。

また、メロディに加え、それぞれの単語の音声が、意味を表しています。
M,N,Rといった子音の柔らかさ、まろやかさ。
一方でK,T,S,Hという子音の乾いた鋭い音。
U,Oの母音の深さ。
Aの明るさ。
Iの鋭さ。
そういう感触を味わいながら発音していくことで、「みのり」という言葉の柔らかさや豊かさ、「ききひらき」という言葉の推進力。
というのが立ち上がります。
このメロディと言葉の一致。発音(音声)と意味の一致。
を拾っていくと、ただ「言葉にリズムと音程をつけました」という歌ではなくて、
メロディ、言葉、発音、のそれぞれがお互いに意味を補完し合い、目の前に情景が浮かび、
お出会いできてサイコーにハッピーです!!!
という感情が歌ってる側に溢れかえって、本当に楽しいです。
歌を歌うことは、自分が発する声によって、言った言葉を血肉化していく、という大事な経験なのではないかと思います。
だから、エエ声で芸術的に歌うことよりも、短いながらも言葉一つ一つを丁寧に見ていかなければならないと思います。特に仏教讃歌においては。
ただ、これを声で現前させる気持ちが先走ってしまうと、表現しようにも声が死んでしまって表現できなくなってしまいますので、発声の技術が必要になるんですけど。
 
しかも今回は合気道に興味があるとおっしゃる参加者さんが多かったから、もっと身体感覚的な、同化的な稽古をすればよかったな、とちと後悔したんですが、
でもとりわけ仏教讃歌を扱うなら、自分が何を歌っているかを深掘りせんわけにはいかんやろ。

というわけで、何が必要かわかったところで、また来月以降、稽古です。
(といいつつ来月以降の予定はしばしお待ちください!!)