人気絶頂の浪曲師・玉川奈々福さん主催の「ガチンコ浪曲講座」!
東京は亀戸にて、全7回行われるうち1回をいただいてボイストレーニング講座をさせていただきました。

浪曲講座会場

浪曲講座会場。テーブルかけがテンションあがります。

「浪曲にはメソッドや体系的な稽古というのがない!」
というお話はよく奈々福さんから伺っていました。
ほんと、クラシック含めて”伝統芸能あるある”

なので発声の理屈から話しました。

今回の新ネタ・声のタイプ別グループ分け

普段はワークショップの時は、こちらからは教えずに「自分で観察して見つけてみてね」というスタンスでしてますが、他人から評価やラベリングされることはそれなりに有効でもあると思うこともあります。
特に悩みが深い方や、治したい欲のある方にとっては。
なのでこの日は、最初にお一人ずつ前で唸っていただき、私の主観で声のタイプ別にグループ分けする、という試みをしてみました。

必死の分類

この日の参加者さん20人。

声は20人20様なはずですが、だからといって20グループ作っても意味ないので、
20人の声の中から共通点を探して、4グループくらいに分けたい。

しかしどんな方がいらっしゃるかわからない。
なので、事前に10種くらいのパターンを想定していって、
当日に一人一人の声を聴きながら大きく表れている特徴を書き出して、共通するタイプをまとめて分類しました。

しかし講座時間は2時間しかないので結構時間カツカツ。
時間がないために「前の人が終わったら次の方はすぐ始めてください」とお願いしてサクサク回るようにしたので、じっくり考える暇がない。(自分で自分の首を絞めている)

も〜、頭フル回転。
いつになく集中しました。

動物に例えてみた

グループ分け用ステッカー。動物10種。

準備していたグループ分け用ステッカー。

ただグループ分けしても私が覚えられるはずがないので、グループ名を名札みたいに胸に貼ってもらえるようにステッカーを作りました。

そしてただ名付けるだけじゃつまらないので、動物に例えて10種。

結果、この日採用されたのは、ライオン、ゾウ、ヤギ、ヒヨコ、フクロウ、ネコ。

ライオン組さんは、声量が大きくて地声が強いグループ。
ゾウ組さんは、声量が大きくて地声も強いけど、息漏れが多めのグループ。
ヤギ組さんは、裏声強めで平たい響きのグループ。
ヒヨコ組さんは、裏声強めで少しパワーが小さいグループ。
フクロウ組さんは、ヒヨコさんの特徴+息漏れがあるタイプ。(なのでヒヨコさんとフクロウさんは一緒に座っていただきました)
ネコさんは、しなやかで可動域が広い、運動能力も自由度も高い声の方。

「奈々福さんの声を分類するなら何の動物か…」と考えてイメージしたのがネコでした。
参加者さんの中にもお一人、ネコさんいらっしゃいました!しなやか声!

浪曲がお好きな方が集まっているだけあって、ライオンさんが多かったです。
3分の1くらいがライオンさんでした。みなさん声が強い!

そして最初にグループごとに唸っていただいても、声の違いがあまりわからない感じの反応だったのが、
声色を決める要素ごとに分解して説明・実践した後は、違いをわかっていただけるようになって、ご自身でも声を操作できるようになっておられました。

このプログラムを構想してから、これがうまくいくのか賭けでハラハラしてたけど、なかなかいい具合に分けられて、みなさんにもそれぞれの違いをわかっていただいてホッとしました。
こういう会、またやろう。

同じタイプの声といってもその発生機序までは同じではない

グループに分けることによって、大まかな特徴を把握しつつ、どんな練習が適しているかをお伝えすることができました。

とはいえ、表面に現れている声の響きが同じ人たちでも、どういう要因でその声になっているかとか、なりたい声に近づいていく方法はまた違うので注意が必要です。

特にグループレッスンだと細かい個別性に対応しきれず、おうちで自己流で練習することであらぬ方向に行ってしまう危険も大いにあります。
だから一般論から少しでも踏み込むと、注意してほしいことや例外がたくさん出てくるので、情報過多になってしまいます。
みなさん頭疲れなかっただろうか…。

この辺がグループレッスンの難しいところでジレンマなのですが、個別性に踏み込んでいく方法も少し見えたので、また色々方策を考えていきます。

声の話するの楽しい

色んな発声練習したり、グループごとの声の特徴とか説明してる合間に、たくさんつっこんでいただきました。

奈々福さんは、さまざまな芸能に造詣が深く、数年前にはヨーロッパと中央アジアを回るツアーをされていたり、他の芸能の方とのコラボもされていて、フィールドワーク経験も豊富です。

この日の会は浪曲講座で、対する私は西洋古典ベース

「浪曲声とはなんなのか」とか、東西の芸能の話、修業の話、倍音の話、山伏の話などなど、声を起点に話題が広がり、名インタビュアーでもある奈々福さんに話聞いていただくのめちゃくちゃ楽しかったです。

その場の反射で喋ってたからほとんど内容覚えてないのが悔やまれます。
私ちゃんと話噛み合ってたのかなぁ。心配。

奈々福さんの能楽堂公演も行きました

観世能楽堂

独演会会場の観世能楽堂


講座の2日後、銀座の観世能楽堂で行われた奈々福さんの独演会にも伺いました。
浪曲は、内容が古い時代の物語であることも多いので話の筋を理解するのが大変な時もあるのですが、
内容が全く理解できなくても、始まった瞬間にグワーーーっと引き込まれて巻き込まれて揺さぶられて、終わった後に爽快感でいっぱいになります。
なんせ楽しい。気持ちいい。なんか脳が洗浄される感あります。
 
クラシックしか聴いたことない人、日本の芸能は堅苦しくて敬遠しているという人、一度は聴くべきです!!