もくじ
ボーカル・声楽クラスの新設
これまでボイストレーニングの教室でしたが、この度、「ボーカル・声楽クラス」を新設しました。
すでに歌を習いたい方もいらしてくださってるので内容が大きく変わるわけではないのですが、受講の際に迷われる方も多いのと、目的を明確にするべく、2クラス制に分けました。
あと料金も見直しました。
ボイトレは声のクリニック的なイメージ
4年前に甲南発声研究所というふざけた名前の教室を始めた当初から、
「ボイス」の「トレーニング」なので、歌ではなく、声そのものに関する困り事に対してお答えする形で設計していました。
機能的で健康的で自由自在(つまり最強)な声はもちろんあるものの、機能的すなわち価値というわけではなく、何かを伝えるための道具としての声には美学的要素が多分に含まれていると思っています。
機能としてはかなり声の可動域が低くてもすごく魅力的に歌ったり話したりする人もいるし、
至近距離にいる相手と短い会話しかしない人であれば、スゴイ声に価値はないわけです。
声の価値は唯一の正解があるわけでなく、今いる場所・場面・相手との関係性・自分がどう表現したいか・などなどで決まります。
なのでこちらから良し悪しは提案せず、ご自身で必要と思った時に来てもらって必要なものを持って帰ってもらうスタイルを取ってました。
体は変化し続けるしそもそもそんな単純じゃないので、声の学びは終わることはないとは言え、一旦、今見えてる困りごとが解決したら終了。
クリニック的なイメージでした。お医者さんにずっとかかり続けるのは不健全ですよね。
だけれども。
困りごとは治さなくてもいい
声の価値は今いる場所・場面・相手との関係(略)で決まります。
だからこそ、生徒さんが「これで困ってる!」「こうなりたい!」と申し出を受けて、
「あ〜わかるわかる、それ嫌よね〜」と共感する反面、
「別に治す必要は必ずしもあるわけじゃない」という思いも心の端っこに居座っていたりします。
その声を使う前後のバランスを変えたり、立ち位置や距離や言葉遣いやテンションやなんやかんや、声の質自体は変わらなくて問題がない状況はいくらでも工夫できます。
気にしてるのは自分だけで他の誰も気にしてないという場合もあります。
もちろん本人の「喋る/歌う時にしんどい」「抵抗がある」という気持ちや感覚がわいているのは然るべきで、全く否定しません。
安易に「そのままでいい」と言うつもりもありません。治すことが必要な場合もあります。
なによりアラートに蓋をするのはよくない。アラートとの付き合い方も考える必要はあります。
そういう「困った!」に即応したレッスンはボイトレクラスで今後も続けていきます。
ただ、自由に声を使いこなせるに越したことはないけど、越したことがないだけで、そこに価値を置くのはなんか優生思想みたいで嫌なの。
ビジネス的には「これが価値だ」「これが答えだ」と言い切ってしまった方が目につきやすいんでしょうけどね。むなしいよね。
プラスともマイナスとも離れた時間を作る
で。
マイナス(困りごと)をゼロやプラス(困らない状態)に近づけていく時間とまた別で、プラスともマイナスとも離れた時間が作れればなぁと改めて思いました。
その手段としては、話すでも演じるでも歌うでもなんでもよかったけど、「ただ歌を歌う」という形にしました。
私が馴染み深くて、楽しみ方をわかっている、という単純な理由なのが申し訳ないのですが。
歌うという行為は、声を媒体として、歌に描かれている情景や感情や人生に身をぶち込むことです。
その中で、やっぱり歌には普段喋るよりも、広い音域・細かい音程コントロール・長い息 などなどが要求されるので、声を見直すことになるかもしれません。
でも、その出ない声が出ないままでも歌・音楽として成立する可能性もあります。
音楽の稽古は無意味
そして音楽の稽古には終わりがありません。どれだけ練習しても完成することはありません。
稽古する目的として「魅力的な声を作る☆」とか「体幹が鍛えられる!」とか「ストレス発散♪」とか「あの憧れの歌手みたいに。.゚+:。.゚+:」とか、いくらでもメリットや謳い文句を並べ立てることはできますが、音楽の稽古は本質的に無意味です。
踏み込んでしまったら完全に沼ですが、ゴールも正解もない無意味な世界で、自分の声を通して楽しんでもらえたらいいなと思います。
そして何より、私も生徒さんと育ちあいながら末長い関係が築いていけると嬉しいです。
気軽にどうぞ
とか色々いってますけど、これはただの私が歌うクラスを作ろうと思った理由で、生徒さんには何も求めてません。
気楽に何も考えず歌いに来てください!
曲は、何も希望がなければ私が歌い慣れてるクラシックを主な課題にします。
歌で遊びましょ〜。
自主練支援サイト(通称:闇サイト)建設
そしてこちらはボーカルクラスと真逆でかなり目的的ですが、定期生徒さん専用の闇サイトができました。
「毎日声の状態が変わるのでどの練習をしたらいいのか選べない」という声をよく耳にしたので作りました。
その日の症状をクリックすると、症状に合ったエクササイズが表示される仕組みです。
そしてあるエクササイズから関連するエクササイズ、このエクササイズがうまく行かない場合のエクササイズ、などに飛んでいけます。
用法・用量に注意
が、自主練は多分にリスクがあるので用法・用量に注意が必要です。
うまくいってるつもりであらぬ方向へ邁進して声を壊す可能性もなくはありません。
なので、月2回受講&レッスン受講開始から2ヶ月が経過した生徒さんのみ閲覧できます。
定期的にいらしている方だと、もしバランスを崩しても日が経たないうちにレッスンで私が調整できるので、私が責任を持てる範囲で利用していただくために制限しています。
最初は練習ハンドブックを作ろうかと思っていたのですが、「この症状の時はこの練習とこの練習がつながるけど、この症状だったらこっちのがいいよな…」とか色々考えた結果、この形になりました。
機が満ちた生徒さんには私からユーザー登録の招待をお送りします。
というわけで、七宝堂はまた新たに始まりました。
色々理念や規約を並べつつも、私のやることなのでゆるいです。でひでひ遊んでください〜。